カテゴリー「書籍・雑誌」の130件の記事

チョコレートコスモス

恩田陸さんの「チョコレートコスモス」文庫本を買って読みました。

チョコレートコスモス (角川文庫)チョコレートコスモス (角川文庫)

著者:恩田 陸
販売元:角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2011/06/23
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どんな話かまったく知らずに表紙が可愛いから買ってみたのですが、すごく面白かったです。

観察する、ということと、生きる、ということ。与えることと、生み出すこと。才能と、努力と。

演劇の世界の話で、殺人とか事件は起きないのですが、佐々木飛鳥、という女の子の不思議な魅力と、東響子という女優の魅力に、ぐいぐい引き込まれて、劇中劇の演出に、うわ、とぞくぞくしました。

登場人物が魅力的な人が多くて、もっと続きが読みたい、と思いました。「ダンデライオン」という続編があるそうなので、発売されたら読もうと思います。

作中に登場する、「欲望という名の電車 A Streetcar Named Desire」の映画は高校生のころにBS2で観たのですが、当時は怖い雰囲気しかわからなかったのに、「チョコレートコスモス」で読むと、改めて、ああ、そういう話だったのか、と感動しました。

ヴィヴィアン・リーは母親の影響か、中学生のころから好きで、「哀愁 WATERLOO BRIDGE」や「風と共に去りぬ Gone with the Wind」が好きだったのを思い出しました。

欲望という名の電車 オリジナル・ディレクターズカット スペシャル・エディション [DVD]欲望という名の電車 オリジナル・ディレクターズカット スペシャル・エディション [DVD]

販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
発売日:2006/05/12
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欲望という名の電車 (新潮文庫)欲望という名の電車 (新潮文庫)


著者:T.ウィリアムズ

販売元:新潮社
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作者のあとがきで、「ガラスの仮面」が好きで、あんなオーディションの場面が書きたかった、とありますが、「ガラスの仮面」のコミックスも、ここ数年巻が進んでいてうれしいです。

ガラスの仮面 46 (花とゆめCOMICS)ガラスの仮面 46 (花とゆめCOMICS)

著者:美内 すずえ
販売元:白泉社
発売日:2010/10/29
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青豆とうふ

安西水丸さんと和田誠さんのエッセイ集、「青豆とうふ」を買って読みました。

青豆とうふ (新潮文庫)青豆とうふ (新潮文庫)

著者:安西 水丸,和田 誠
販売元:新潮社
発売日:2011/06/26
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村上春樹さんが解説です。「青豆とうふ」というタイトルも、水丸さんと春樹さんが渋谷の小料理屋さんでビールと食事を楽しみながら、タイトルを何か考えてよ、という水丸さんの頼みに、春樹さんがつけたものだそうで、以前そのエピソードを読んだときに、素敵だなあ、と思ったのを思い出しました。

和田さんと水丸さん、ふたりの絵と文章が交互に楽しめる、とても読みやすくて楽しいエッセイ集です。

あははと笑える楽しさなのですが、奥が深くて、おしゃれで、じっくり読み返したくなるような一冊でした。

密やかな結晶

小川洋子さんの『密やかな結晶』という文庫本を買って読みました。

密やかな結晶 (講談社文庫) 密やかな結晶 (講談社文庫)

著者:小川 洋子
販売元:講談社
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日記を書くのがすごく久しぶりなのですが(読んだのに書いてない本がたまってる)、一番最近読んだ本からリハビリっぽく感想書いていきます。

デパートの本屋さんで、今月のおすすめの一冊、に選ばれていたので、しばらく前に買ったのですが、昨日読み終わりました。10年以上前の本ですが、古い感じもしないです。

架空の島に住む女の人の話。何かを失った人の小説を書いている女性が、何かをどんどん失っていく、失われていく記憶と物質のお話です。

秘密警察に大事なものを壊されたり、隠れ家に大事な人を匿ったり、いろいろなものの記憶がどんどん消えていく不思議な設定の島で、みんながそれに慣れ、でもそれに慣れない人もいて、大きな力と、それに抗おうとする小さな力の話。

解説に、「アンネの日記」との関わりの記述があって、読んでいるときは気付きませんでしたが、確かにアンネ・フランクの隠れ家とちょっと似ているのですね。

おじいさんの話し方や、フェリーの仕事がなくなってしまっても、いろんな技術を確かに持っているしっかりした生き方が、好きでした。

小川洋子さんの本を読んだのはこれで三冊目ですが、またそのうちに別の本も読んでみようと思いました。

考える人(春号)

新潮社の「考える人」春号を買って読みました。

考える人 2011年 05月号 [雑誌] 考える人 2011年 05月号 [雑誌]

販売元:新潮社
発売日:2011/04/04
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高村薫さんと曹洞宗のお坊さんの対談が載っていたので、読みたくて。「太陽を曳く馬」の福澤シリーズ三部作の話と仏教を、深くお話されていて、とても面白かったです。そのほかの読み物も面白いのが多くて、じっくり楽しめる一冊でした。

前に村上春樹ロングインタビューが去年の夏号に載っていたときに買って以来、二冊目の「考える人」ですが、結構好きなのでまた今年も夏号も面白そうなら買おうかな、と思います。

太陽を曳く馬〈下〉 太陽を曳く馬〈下〉

著者:高村 薫
販売元:新潮社
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太陽を曳く馬〈上〉 太陽を曳く馬〈上〉

著者:高村 薫
販売元:新潮社
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女王国の城

有栖川有栖の「女王国の城」文庫本を買って読みました。

女王国の城 上 (創元推理文庫)女王国の城 上 (創元推理文庫)

著者:有栖川 有栖
販売元:東京創元社
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女王国の城 下 (創元推理文庫)女王国の城 下 (創元推理文庫)

著者:有栖川 有栖
販売元:東京創元社
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「月光ゲーム」「孤島パズル」「双頭の悪魔」に続く、学生アリスシリーズの第四作です。三作目まで読んだのは何年も昔で、単行本が出てからずっと読みたかったのですが、文庫本になるまで待っていました。

アリスとマリアが可愛かったです。江神部長もかっこよかったし。いろんな賞を受賞している本作ですが、ほんとに、推理小説!という感じでわくわく楽しかったです。

有栖川さんの優しさというか紳士な感じが好きです。本格ミステリって、紳士が書くものなのかも。

とにかく長いので1日では読み終わらなかったのですが、読み出すとやめられない面白さでした。

次に短編集があって、長編は第五作で完結するみたいなので、続きが楽しみです。

月光ゲーム―Yの悲劇’88 (創元推理文庫)月光ゲーム―Yの悲劇’88 (創元推理文庫)

著者:有栖川 有栖
販売元:東京創元社
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孤島パズル (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)孤島パズル (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

著者:有栖川 有栖
販売元:東京創元社
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双頭の悪魔 (創元推理文庫)双頭の悪魔 (創元推理文庫)

著者:有栖川 有栖
販売元:東京創元社
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「ギフト」と「ヴォイス」

アーシュラ・K・ル=グウィンの「西のはての年代記」シリーズのIとII、「ギフト」と「ヴォイス」の文庫本が発売されていたので、2月と3月に買って読みました。

ギフト 西のはての年代記Ⅰ (河出文庫) ギフト 西のはての年代記Ⅰ (河出文庫)

著者:アーシュラ・K・ル=グウィン
販売元:河出書房新社
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ヴォイス 西のはての年代記Ⅱ (河出文庫) ヴォイス 西のはての年代記Ⅱ (河出文庫)

著者:アーシュラ・K・ル=グウィン
販売元:河出書房新社
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単行本が出た頃から、読みたいなあとは思っていたのですが、やっと読めて嬉しいです。

すごく面白くて、ハイ・ファンタジーの世界を堪能できました。

「ゲド戦記」を初めて読んだのは高校生のころですが、ル=グウィンの静かで骨太な文章が好きです。深く沈む言葉と思考も。

少年少女の運命と成長が描かれていて、4月発売の「パワー」も楽しみです。

木洩れ日に泳ぐ魚

恩田陸の「木洩れ日に泳ぐ魚」の文庫本を買って読みました。

木洩れ日に泳ぐ魚 (文春文庫) 木洩れ日に泳ぐ魚 (文春文庫)

著者:恩田 陸

販売元:文藝春秋

発売日:2010/11/10
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一人の男と一人の女が、一晩、ある出来事をめぐる会話をするお話です。

最初から最後まで、日常会話の中から次々に新たな不安が生まれてきて、何があるのかな、どうなるのかなとドキドキしながら一気に読めました。

「僕たちは笑う。
カメラに向かって。将来この写真を見る自分たちに向かって。決して自分の過去が悪いものではなかったと自分に言い聞かせるために。カメラに向かって笑う僕たちは、未来の僕たちと常に共犯関係にある」

「そうして、僕たちは、今この瞬間の絶望も、憎しみも、恐怖も、あきらめも、笑顔の後ろに捨てて、忘れていく。
僕たちはカメラを通して、未来の僕たちに笑いかける。
歳月というフィルターを掛けた時、全てが甘い過去となるように。
全てが幸福な記憶になるように。」

最後の方の、この部分が、「木洩れ日に泳ぐ魚」というタイトルにつながっていくのですが、確かに写真って、記憶って、そういうものだな、と。

ヒロとアキの、「真珠のピアス」を巡る考察から話は膨らんでいくのですが、最後まで面白かったです。私も、ピアスの穴はあけていないですが、ピアスは捨ててしまいたい気がしました。

まほろ駅前多田便利軒と番外地

まほろ駅前シリーズを、以前に買って読んだのですが、ふと読み返したくなって読みました。瑛太と松田龍平でくるりの音楽で映画化されて4月23日に公開らしいですね。

まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫) まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)

著者:三浦 しをん
販売元:文藝春秋
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まほろ駅前番外地 まほろ駅前番外地

著者:三浦 しをん
販売元:文藝春秋
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多田啓介と行天春彦という男二人がふるさとで便利屋をしている話です。

一冊目は、傷を抱えた人たちの、お正月の出会いに始まって、お正月の仲直りで終わる話なので、なんとなく読み返したくなったのかもしれません。

三浦さんの作品の中では、直木賞受賞作ということで有名でしたが、読んだのは1年くらい前で最近です。

一度目に読んだときより、多田の気持ちに入っていけて、ルルとハイシー、星くんと清海ちゃん、岡老人と岡夫人、由良公、凪子、亜沙子、曾根田のお祖母ちゃん、いろんな人たちにもなじめたような気がします。

「とてもとても遠い場所。自分の心のなかぐらい遠い」という最初の予言が、胸に響きました。傷だらけで痛くて、目を背けている場所があって、でも幸福は求めれば何度でも訪れるんだよ、という、家族とか愛とかの話です。

週刊文春にもまほろの続編が連載中で、単行本になるのが楽しみです。

勾玉の世界 荻原規子読本

荻原規子の「<勾玉>の世界」を買って読みました。

〈勾玉〉の世界 荻原規子読本 〈勾玉〉の世界 荻原規子読本

著者:荻原 規子
販売元:徳間書店
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「空色勾玉」のスピンオフ『潮もかなひぬ』と、上田ひろみシリーズの短編3本と、対談やエッセイが収録されています。

荻原さんの作品は小学生のときに読んで以来好きなのですが、勾玉シリーズの文庫版は買っていないのですよね、ノベルス版も。

この読本では上田ひろみシリーズの短編が一番面白かったです。『潮もかなひぬ』を一番最初に読みましたが、読むともう一度「空色勾玉」を読み返したくなりました。

あと私、最近阿高が好きです。いい名前だな、と。

空色勾玉 (徳間文庫) 空色勾玉 (徳間文庫)

著者:荻原 規子
販売元:徳間書店
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空色勾玉 (トクマ・ノベルズ EDGE) 空色勾玉 (トクマ・ノベルズ EDGE)

著者:荻原 規子
販売元:徳間書店
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白鳥異伝 上 (徳間文庫) 白鳥異伝 上 (徳間文庫)

著者:荻原 規子
販売元:徳間書店
発売日:2010/07/02
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白鳥異伝 下 (徳間文庫) 白鳥異伝 下 (徳間文庫)

著者:荻原 規子
販売元:徳間書店
発売日:2010/07/02
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白鳥異伝 上 (トクマ・ノベルズ Edge) 白鳥異伝 上 (トクマ・ノベルズ Edge)

著者:荻原 規子
販売元:徳間書店
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白鳥異伝 下 (トクマ・ノベルズ Edge) 白鳥異伝 下 (トクマ・ノベルズ Edge)

著者:荻原 規子
販売元:徳間書店
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薄紅天女 (トクマ・ノベルズ Edge) 薄紅天女 (トクマ・ノベルズ Edge)

著者:荻原 規子
販売元:徳間書店
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薄紅天女 上 (徳間文庫) 薄紅天女 上 (徳間文庫)

著者:荻原 規子
販売元:徳間書店
発売日:2010/08/06
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薄紅天女 下 (徳間文庫) 薄紅天女 下 (徳間文庫)

著者:荻原 規子
販売元:徳間書店
発売日:2010/08/06
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ツリーハウス

角田光代の「ツリーハウス」を買って読みました。

ツリーハウス ツリーハウス

著者:角田 光代
販売元:文藝春秋
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読みながら号泣。重い本ですが、重い分の衝撃と感動がありました。そして最後のツリーハウスの大木。

ツリーハウスが木の上の家のことだってことも知らなかったというか忘れていたのですが、(題名を見たとき思い浮かべたのは樹形図みたいな家系図でした)、Wikiで調べてみたら、ゲゲゲの鬼太郎の家が典型的なツリーハウスと書かれていて、なるほど、と。子供の頃、ゲゲゲの鬼太郎はドラえもんと同じくらい見るのが当たり前のアニメで、当時はまだ戦後という空気がありました。

「翡翠飯店」という新宿の中華料理屋さんの、一家の物語です。「後悔したって、もし、なんてないんだよ。」という帯の文句に、読み終えてあらためてはっとさせられます。長春が新京と呼ばれていた時代、偽りの華やかさと、必死に生き抜いてきた人たちの貧しさと豊かさに、学生運動やオウム真理教や、就職難や不況や、どんな時代にもある愚かしさと生きる苦しさに、心が動かされて、泣きたくなります。

「家族を作るものは根っこではないのではないか」「根っこではなかったらなんだ?」という良嗣の考えに、最後に救われました。私の父と母も、きっとそうだったんだ、と思えたり、良嗣が自分のように思えたり。私とほとんど同世代の良嗣と、その父母と、祖父の泰造と祖母のヤエと、祖父母の子供たちと、良嗣の兄弟たちの物語。戦争と、戦後の、日本と日本人の話。中国とアジアと、世界と日本と、混沌と死と希望と。弱さと逃げと甘えと過ちと贖罪と。

『闘うことも逃げることもせず、やすやすと時代にのみこまれんなと、祖母は言ったのではなかったか。今は平和で不気味に退屈で、でも、そんな時代にのみこまれるなと。』という帯の引用句にありますが、本当につらいところからは逃げていいんだ、という言葉と、逃げるしかできない大人になるな、という言葉に、どちらも泣かされました。祖父と、祖母の、普段は語ることのない、過去と後悔と思想と、家族の歴史に、胸が痛くなります。

偽の満州国で出会った二人が、流されながら必死で築き上げた家は、きっと日本人の心の奥に、ひっそりといつもあるんだと思います。新天地とは、新しい世界、新しい活躍の場所。忘れていた大事なことを思い出したような、そんな気分になる本でした。

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